2022年8月6日土曜日

『2022年冬の1月から春にかけての物語』 ①

 2022年冬の1月から春にかけての物語

女医さんから「北海道店で旨い海鮮丼とか買ってきたから取りにおいでょ」とか

「おいしいパンを買ってきたから」とそれはそれはとっても優しく扱われてきた。

だけど、クリニックの門扉の前まで取りに行くのがすごく神経を使う。

目の前は幹線道路沿いで乗降者も多いバス停もあるし、横には多くの集合住宅に

囲まれている。

近所の住民の中には女医さんの良くないうわさ話をする人も数人いて、敵も多い。


そんな状況を独自につかんでいたので、最新の注意を払わなければならなかった。

女医さんは既婚者で、こちらは独身。妙な噂を立てられたらどちらにも良くない

のは目に見えているし、変な気持ちはこれっぽっちもないのだから。


初回の時は、まぁ、近所の誰かが見てても

” あれ~ お兄ちゃん、どうしたの・・・・ ” と思う程度だろうけれど

これが度重なると他人のうわさというものは尾びれ背びれをつけて広がり始めてしまう。

なので、2回目からは細心の注意を払うことにしたのであった。


要は、うち自身が誰にも気づかれない、誰だかわからなければOK☆

1月14日の夜20時ごろ 携帯に電話があり、「スマホが動かなくなった、直してょ・・・。」と。

先生のうちの前まで取りに行かなくっちゃならないけれど、冬の夜とはいえ通行人はパラパラいるし・・・。

度胸を決めてやってみますか♪ と初実行。




あらかじめ購入しておいた6.5㎝ヒールブーツにトップス

(その他は家の整理整頓していたら見つけた昔の姉や母のもの)



しっかし、着替えてる自分がすっごく恥ずかしいったりゃありゃしない

(しかし、先生の反応がぜひ見てみたい♪(笑)


この格好で外出することの度胸と勇気と覚悟は想像を絶するのだぞ

(抗がん剤治療中の先生が大笑いしてくれて免疫力が高まってくれたら大成功なんだし)


一応、今回の心の予行練習として10月13日(日)に車で離れた夜の公園に22時ごろに行って

園内を歩いて、度胸試しだけはしておいた。ほとんどぱらぱらとしか人は見当たらないけど、すれ違う時の緊張感が半端ない。視線をどこからともなく感じるのがちと怖いけど。

20分ほど歩いてて、こんな格好でよりにもよっておしっこがしたくなって、すんごく焦った。どうしよう・・・・・大きな公園なのであちこちに人はいる。

でも、我慢の限界、男子トイレにこの格好で入ったら、お手洗いのところで手を洗っている男性2人の驚いた表情が飛び込んできた


「すみません・・・・・」とちっちゃな声で軽く会釈して個室へ

なんとかポッ♪としておトイレの建物から出て、駐車場へ向かっていると

目の前にお巡りさん2名が夜間の巡回をしているではないか!

(どうしよう・・・・職質されたらどうしよう・・・・・)


もう焦るしかないけど、挙動不審に見られたら余計に疑われるから堂々と横を通り過ぎようとした瞬間、声をかけられた

(げげげ・・・・もう頭の中は半分パニック状態)


「夜も遅いから女の人はもっと早く帰ってくださいね♪」とやさしく言われた。

(はぁ? どういうこと? うち女に見られたの? え?)


無事に通過して、後方にいた数名の男性がなにか聞かれ始めた。

(男には職質か!? ふぅ~ すっごい度胸試しだわ、これは・・・・)


と、無事に練習は済ませておいてたので、年明けの本番はまだ照れはと恥ずかしさは

すごくあるけれど、スマホを取りに表の世界へGO


幹線道路の大きな交差点の横断歩道を渡る

横を照らす赤信号待ちの車の数々・・・・すれ違う横断歩行者

(すっごい恥ずかしいし・・・・・)


バス停にバスが停車してぞろぞろと降車してくる人々

その中をすれ違ってゆく

(どうしよう・・・お客さんや顔見知りがいて、ばれたら・・・・)

(心臓がバクバク。。。でもおどおどしちゃいけないと・・・)

門扉の前について先生へ到着の電話。

待っている間も次のバスがとまり人が下りてくる。


(げげげ、知ってるお客さんや挨拶をする近所のおばさんも・・・・・)

門扉からは遠ざかり、30mほど離れてバス停でバス待ちのように振舞って先生を待っていると


ガチャガチャ・・・っ降りてきて門扉の外にでてきた

キョロキョロと探している様子


さりげなくちっちゃく手を振りながら

「せ~ん せぃ♬」とかわいい声で小声で近づいてゆく。


先生は首を傾げてるみたいでだれだか気がついちゃいないし・・・・

微笑みながらどんどん近づいて行き、

「うちだょ!」と言うと

” はあぁああああああ~!? お兄ちゃんなの!? え? はぁ? ”


と驚いた後、もうニヤニヤ笑う笑う♪

(大成功だし♪)


” ぜーーーーーんぜんわからんかった!! このあたりでは見かけないお嬢さんぽい

女の人がバス停に立っているな~としか見てなかったわ ”


「お兄ちゃんと呼ばないで!」 と小声で言い、人差し指で内緒だょの合図を送ると、

先生が笑う笑う♪

「もう~どっからどう見ても、声も、女にしか聞こえんわ」と。


マスクをしているとはいえ、化粧はしてないのにね

髪の毛はポニーテールをやめて自然にしてるだけだけど


門扉の前の歩道上で動かなくなってるスマホを受け取り、30分くらいの雑談。

その間も目の前を多くの人が行き交ってゆく。

知ってる人も時にはいるけど、ぜんぜん気が付きもしない

先生もクスクスと笑ってる。。。


「どこをどうみても誰だかわからんって! 言わなきゃ」と。


タイツをはいてる足元をじろじろと見てくる先生が

「なんでそんなに細いの! しかも足首がキュっと細く引き締まって~

すごくきれいな足をして~なんなんだ一体・・・・うらやましいし」

「しかもめっちゃくちゃ似合っててかわいいし、お嬢様かょ!」と。。。。


そして、無事に帰宅すると先生からのメールに








これが初回であった。。。ふぅ~ 




続く。



















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